376号 国文学研究資料館「アーカイブ・カレッジ」クラウドファンディングのお知らせ、そのことに寄せて思うこと

事務局の佐藤大介です。国文学研究資料館「アーカイブ・カレッジ」が、2020年度の地方開催継続のため、クラウドファンディングを立ち上げました。東日本大震災時に際して本法人が実施した史料レスキューに際しても、青木睦さん、渡辺浩一さん、西村慎太郎さんら関係者からの支援を得ておりました。趣意をご理解の上、多くの方のご協力をお願いできれば幸いです。

https://readyfor.jp/projects/kokubunken?fbclid=IwAR3RrzJeKB_BFyaFCYN1v3ALp2jb3jnVoa2YlXwRToNETX-l2iCcfXx_amI

詳細はリンク先をご覧いただければと思いますが、約40年間、日本各地での講座を通じて、各地の古文書の保存、活用および災害時のレスキューに従事する幾多の方々を輩出してきた講座です。それが、予算削減により存続の危機にあるということを知り、非常に驚いております。

日本の地域社会に残された歴史資料の保存や継承、活用については、志ある現場の方々がなんとか踏ん張って支えているというのが現状です。技術や専門知識はもちろん、志を普及する場が失われてしまえば、この国のこれからの歴史資料、公文書の保存と継承に、どのような悪影響が生じるのか、慄然とします。

長年、目に見える実績をあげている事業でさえもこうなってしまう現状に、同業の一人として、それでは一体どうすればいいのかと、徒労感も感じます。

それ自体で収益を挙げられるわけではない活動は、公的な支援、社会的な理解がなければ成り立たないのであって、現状を多くの人々が認識し、ともに考えていただくことを願っています。