433号 2022年3月福島県沖地震・「そうま資料ネット」の発足と相馬市内でのレス キューの実施

救う―救済活動

宮城資料ネット事務局です。

今年3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震では、宮城県南から福島県北 にかけて大きな被害がもたらされました。
地震発生以来、宮城資料ネットでは、ふくしま歴史資料保存ネットワーク(ふく しま史料ネット)と協力しながら、被災地域の情報把握に努めているところでした。

※詳細は『宮城資料ネット・ニュース』428~431号もご参照下さい。

今回の地震において、最も甚大な被害を受けた地域の一つである福島県相馬市に ついて先月、市中心部の旧相馬城下町地域で被害を被ったお宅が複数あるとの情報に接し、
先月16日、ふくしま史料ネットメンバーや地元関係者の皆さんと一緒に被災地域 を巡回した結果、複数の旧家で相当程度の被害が発生していることが確認され、被災家屋からの資 料レスキューを実施する必要があること、またその際に宮城・ふくしま両資料 ネットが活動を支援することなどが確認されました。
これを受けて関係者間で協議を行った結果、地元関係者を主体とする「そうま歴 史資料保存ネットワーク」(そうま資料ネット)の設立が、その場で確認されま した。

そして6月11日、そうま資料ネット最初の活動として、被災した市内旧家での資 料レスキュー活動が行われました。午前中は被災した家屋から資料の一時搬出を行い、午後からは搬出したふすまの 下張り剥がしを行いました。
ふすまの下張りからは、明治前期の宇多・行方郡役所(現在の相馬市・南相馬 市・新地町・飯舘村の区域)文書の一部が発見され、今後の作業の過程で、また新たな資料が発見されていくことが期待されています。
当日の活動の様子については、『福島民友新聞』と『福島新報』に記事が掲載さ れましたので、ご覧下さい。

■「被災家屋の古文書を守る 3月地震、相馬に資料保存ネット発足」『福島民友 新聞』6月12日
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20220612-709774.php

■「災害での歴史資料散逸を防げ 市民有志が保存組織設立 福島県相馬市」 『福島民報』6月13日
https://www.minpo.jp/news/detail/2022061297857?fbclid=IwAR16NwAUdjNvAvUsrS_mmyor5g1Z6BPYLlXXf9TT6CORDNbl0ToqxNWTTzU

宮城資料ネットとしては、今後もふくしま史料ネットとともに、そうま資料ネッ トの活動を支援し、相馬地域の歴史資料の救済・保全に協力していきたいと考え ています。
みなさまからも、そうま資料ネットの活動へのご支援をお願いできればと思って おります。