5号 河南町第2次行動(8月23日)の結果を報告します

2003年宮城県地震救う―救済活動

*昨23日に河南町で第二回目の被災資料救済行動を実施しました。ご参加頂いただいた方々に御礼を申し上げます。ありがとうございました。

*第1班は、全壊指定をうけた町立歴史民俗資料館立教堂から、民具や農具などの展示品を運び出し、トラックやワゴン車3台で多賀城の旧東北歴史資料館の倉庫に搬入しました。河南町教育委員会の職員の方々や、地元のボランティアの方々、それに私たちのグループから5人、およそ20人程度で多賀城の倉庫まで2往復しました。

*第2班は6グループに分かれて町内の文化財等の現状調査とレスキュー活動を行いました。県の『文化財基本調査』に記載されたリストなどを手がかりに、町内27軒のお宅をお訪ねし、被災状況や史料の保管状況などを確認しました。聞き取りのなかで、リストに未記載のお宅も数軒紹介して頂きました。
 その結果、蔵のなかに証文などがいっぱいあったが、蔵が破損したので一週間前に解体し、そのときに全部捨ててしまったというお宅がありました。一週間遅かった!、と大いに悔やまれます。だからこそ、迅速な行動が求められることを実感しました。また今回の地震とは別に、今年の2月に母屋と蔵を解体し骨董屋などに全部売ってしまったというお宅もありました。
 もちろんこうした悲しい結果だけではなく、、仮設住宅に移らなければならないほどの被害を受けたあるお宅では、蔵を壊すので掛け軸や古文書などを持っていってほしいと要望され、バンの荷台がいっぱいになるくらいの資料類を緊急レスキューしております。これは教委の倉庫に保管して頂きました。また私たちがお訪ねてして調査の主旨をお伝えすることで、蔵を整理するときには連絡しますよといった対応をみせてくださるお宅も少なくありません。かなりたくさんの資料を所蔵しておられるお宅なども、確認することができました。

*前回8月10日の現状調査で23軒、今回27軒、合計50軒の確認をすることができました。調査カードについては被災地調査が一段落した段階で改めて整理し、地元の文化財担当係や県の文化財保護課などにも提供し、文化財リストの充実に活用して頂く予定です。

*今回の調査には、石巻中央図書館の庄司恵一さんや石巻文化センターの古澤亜希子さん、石巻の古文書を読む会の阿部わか子さんや中村守さんも参加してくれました。阿部さんは河南町にお住まいですので、地の利を活かして町内の聞き取り調査がたいへんスムースになりました。また東京の国立史料館の渡辺浩一さんと、天理大学の藤田明良さんも駆け付けてくれました。遠路ありがとうございました。

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<役割分担>(敬称略)
○町立歴史民俗資料館立教堂班
 竹原万雄、蝦名裕一、柳原敏昭、朴英吉、及川健二
○町内調査班
(和淵地区)平川新(車)、金ジンスク
(広淵地区A・鹿又地区)菊池勇夫(車)、阿部わか子
(広淵地区B)中村守(車)、藤田明良
(北村地区A)七海雅人(車)、渡辺浩一
(北村地区B)庄司恵一(車)、菊池慶子
(須江地区)古沢亜希子(車)、佐々木徹
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