163号 石巻文化センター図書資料のレスキュー(第2次)

救う―救済活動東日本大震災


 3月17・18日の両日、宮城県石巻市の石巻文化センターにて、同館所蔵の図書資料のレスキューを実施しました。参加者は宮城資料ネット募集のボランティアが19名、国文学研究資料館の渡辺浩一さん、中央大学の山崎圭さんを中心とする一橋大学と中央大学の学生有志チーム8名でした。

 昨年12月18・19日の活動に続き、津波で被災した郷土関係の図書や、発掘報告書など1000冊ほどの中から、当面応急処置が可能なものを選び簡易クリーニングを行いました。同時に、学生有志チームが救出した図書を目録化していきました。


 12月の段階である程度状態のよいものが選ばれており、今回は状態の悪いものが多くなりました。応急処置が困難だと判断したものは廃棄処分となります。その中には、宮城資料ネットの関係者が執筆や編さんに関わった書籍もあり、複雑な心境でした。

 多くの参加者を得て、今回の活動で被災図書全ての選別を終えました。一方、今回対象とした図書だけでも、その半数が廃棄となりました。

 保管場所の問題もあり、石巻市では今すぐ代わりの図書を受け入れられる状況にないそうです。一方、将来の石巻文化センター復興に際しては、図書資料を復元することも大きな課題となります。関係各位の継続的な支援をお願いする次第です。
(佐藤大介・記)