170号 ふくしま史料ネットへの史料撮影支援を実施

救う―救済活動東日本大震災


事務局の佐藤大介です。9月6日と7日の両日、福島市の福島大学街中ブランチ舟場で、ふくしま歴史資料保存ネットワーク(ふくしま史料ネット)による被災歴史資料の保全活動が行われました。同ネットの依頼により、宮城資料ネットから佐藤がデジタルカメラによる撮影の技術支援を行ってきました。

(絵:ふくしま史料ネットでの撮影作業(9月6日)

宮城資料ネットでは、一つの家や組織の文書群を効率よく記録化するため、時にはデジタルカメラを10台以上使って撮影を行います。当初はカメラごとに撮影方法がまちまちでした。そこで、誰が作業しても写し方がなるべく均質になるよう、2005年頃に最初の撮影マニュアルを作りました。その後も工夫を加え続けています。現在はマニュアルを説明した上で撮影を進めています。マニュアル化により、古文書を扱ったことの無い一般の方でも保全活動に参加できるようにすることを目指すものでもあります。マニュアルは公式サイトで公開しています。今回の福島での活動は、いわゆる「宮城方式」を本格的に他の地域の史料ネットに支援する初めての機会となりました。


ふくしま史料ネット事務局からの呼びかけに、福島県内各地の研究者や郷土史サークルの方、茨城史料ネット、さらには東京、大阪などから23人の参加がありました。保全対象は、福島県内の解体土蔵から救出された、近世・近代の文書史料です。

佐藤は、今回の保全活動の中で、冒頭にマニュアルの説明を行いました。その後は実際の撮影作業で、5班編成の撮影班を巡回して史料の形や状態に応じた撮影方法を助言しました。さらに、事務局の本間宏さんと徳竹剛さんには、撮影画像の集約と確認のポイントをアドバイスしました。最初が肝心だからと、画像チェックはやや厳しくお願いしました。二日目にはプロジェクターを用いて全員で画像の確認と、撮影方法の確認を行ってもらいました。参加者も2日目には作業に慣れ、合計で約3200コマを撮影しました。

 (絵:撮影画像の集約作業(9月6日)

デジタルカメラを使うことはもちろん、撮影をスムースに行うための様々な小道具は、手前味噌ながら「目からウロコ」といった印象を持たれた方が多かったようです。一方、機材の設置や撮影など具体的な手順については、冒頭でマニュアルを読み上げるだけになってしまいました。もう少し実演を交えたりするなど工夫が必要だったと反省しています。今回のふくしま史料ネットでの経験を踏まえ、マニュアルの内容やその伝え方をさらに磨いていきたいと思います。
私事ながら、今回の会場となった福島市は、私が小・中・高校を過ごした町です。今回の支援が、ふるさと福島県での被災歴史資料レスキューに少しでも寄与するところがあったならば幸いです。機会を与えていただいたふくしま史料ネット事務局と、参加者の方々に、末筆ながら記して御礼申し上げます。