199号 NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク被災歴史資料の応急処置に参加して

救う―救済活動東日本大震災

ナカシャクリエイテブ株式会社 高橋浩明 石川侑子

 2013年4月15日から19日まで事務局で被災資料の応急処置をお手伝いさせていただきました。2年前の8月に宮城学院の大平聡さんに誘われて宮城県を訪れたときにお邪魔して、蝦名さんからお話を伺い、「やっていき
ますよね」と言われて夕方までお手伝いさせていただいたことがありました。

 それから全然お手伝いにも行けず、何か胸に引っかかったものがあったのですが、今回思い切って休みを取って参加させていただきました。私たちの会社は名古屋に本社があり、文化財関係の仕事をしております。同じような業務を日々行っていることと、石川が防虫・防黴などを担当しているので何かのお役に立てるかなと無理を言って同行させていただきました。

   

 事務局での作業では文書のクリーニングやカビの処理などをさせていただきました。被災資料を初めて実際に目にし、水損資料ということで泥汚れが多いこと、通常よく見るカビのほかに高湿度で発生するカビも多い状況に驚き、様々な状況に対応しなければならない大変さを感じました。

 また、資料レスキューの作業について、ボランティアの方々の体制がしっかりされていたことに驚かされました。2年前にはこのような体制ではなかったと思いますが、お話を伺い、この間いろいろと体験された結果に導き出された体制であるのだなと感じました。改めて被災資料の整理の大変さを痛感しました。またくずし字を読めない方々に対しても、古文書講座に参加してもらって読めるようにしていくという体制を作り、ボランティアの方々の積極的に参加してくずし字を学ぼうという向上心にも感銘を受けました。たった1週間しかお手伝いできませんでしたが、もし少しでもお役にたてたのなら幸いです。

(追記)今回は名古屋からお越しいただいた高橋さん、石川さんに参加記を執筆していただきました。2年前にそんなエピソードが…。お二人とも、遠方からお越しいただいた上に、一週間連続で作業にご参加いただき、本当にありがとうございました。(事務局・蝦名)