202号 陸前高田市の大肝入吉田家文書の整理について―作業支援のお願い―

救う―救済活動東日本大震災

理事長 平 川 新

 このたびの大震災により岩手県陸前高田市は途方もない被害をこうむりました。その困難を克服し、なんとか立ち直るべく、地元の方々は必死の努力を続けておられます。関係者の方々のご奮闘に敬意を表すると共に、私たちで力になれることはないかと模索しておりました。

 歴史関係のニュースとしてご存じの方も多いと思いますが、陸奥国気仙郡(仙台藩)の大肝入(広域行政を担当する地域側の役人、他地域の「大庄屋」などに相当)であった吉田家文書の「定留」類(100冊余)が流出を免れ、岩手県立博物館や国会図書館などのご協力によって洗浄と修復が行われてきました。地元の郷土史関係者の方々も、「定留」が守られたことを喜び、地域復興の心の支えにしておられます。

未整理でしたので公表されていなかったのですが、この「定留」以外の吉田家文書が宮城県の東北歴史博物館に大量に収蔵されていました。状物(一紙に書かれた文書)が中心ですが、長持ち2棹分ですので5万点は越えるのではないかと思われます。7月2日に実施した予備調査では、17世紀後期からの史料が確認できております。仙台藩の気仙代官所関係の史料もあり、広域的な地域行政のあり方が解明可能な史料群です。もちろん陸前高田をはじめとする被災地の歴史の復元には欠かせない、貴重な史料群となります。

 先日、陸前高田市の古文書研究会や文化財保護委員の方々が東北歴史博物館を訪れてこの文書群と対面されました。その驚きと喜びのご様子を間近に拝見して、私たちも胸がつまる思いでした。早く読みたいですね、早く使えるようになるといいのですが…とつぶやいておられるお姿に、私たちも何とかできないかという思いを強くした次第でした。 そこで東北歴史博物館とご相談をして、下記の段取りで吉田家文書の整理を進めることにいたしました。

①史料全点を保存用封筒に封入し、デジタルカメラで全点撮影をする。
②撮影済みの史料の目録を作成する。

東北歴史博物館蔵・吉田家文書(一部) (2012年3月27日撮影)

   

 つきましては皆さまにお願いです。①の保存用封筒への封入と写真撮影の作業を下記の日程で実施することにしました。古文書が読めなくても可能な作業です。

■陸奥国気仙郡大肝入吉田家文書整理作業
・日程:8月24日(金)~26日(月) (部分参加も可)
・場所:東北歴史博物館(宮城県多賀城市、JR 東北線国府多賀城駅前)
*初日の8月24日は午前10時に東北歴史博物館に集合
*25日・26日は午前9時に作業開始
・募集人員:20名程度
・備考:学部生・院生には謝金を予定しております。
:宿泊等はご自身でご手配ください(仙台駅周辺が便利です)。

 歴史文化を活かした被災地の復興と、人々の心の拠り所としての歴史再生のための作業に、ぜひ多くの方々のご支援をお願いいたします。参加が可能な方は下記にご記入のうえ、宮城資料ネット事務局にお知らせください。

吉田家文書整理作業参加申込書
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お名前:
ご所属:
メールアドレス:
ご住所:
電話番号(携帯など当日連絡可能なもの):
参加日程: 全日程 部分( )
ご参加の動機・連絡事項:
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■返送先:宮城資料ネット事務局 office@miyagi-shiryounet.org
   締め切り:7月29日(月)