206号 NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク創立10周年シンポジウム「災害を超えて」を開催

救う―救済活動東日本大震災

 9月28日、宮城歴史資料保全ネットワーク設立10周年シンポジウム「災害を超えて―宮城における歴史資料の保全 2003~2013―」を、東北大学片平さくらホールにて開催しました。参加者は73名でした。

 シンポジウムでは、宮城資料ネットの発足やその前史、東日本大震災での被災史料レスキューにおける史料ネット、被災自治体、国の活動に関する報告とコメントが行われました。パネルディスカッションでは、10年の活動や震災を経て、地域での事前調査と信頼関係の重要性、史料保全活動に取り組む主体の問題、南海トラフ地震など憂慮される「次」の大災害へ向けた課題が確認されました。

 各地の史料ネット関係者に加え国、自治体からの報告を得たことは、宮城資料ネットが取り組んできたネットワーク型での歴史資料保全活動の一つの結実だともいえます。一方で組織運営や活動の普及、所蔵者や地域との関わりについて多くの課題も見いだされました。10年間の活動をふまえたさらなる活動の深化とともに、巨大災害を経験した組織として、全国各地への教訓の伝授や活動の普及も重要な役割となるでしょう。

 シンポジウムを新たなスタートとして、引き続き活動に取り組んでいきます。なお、本シンポジウムの記録については、追って公刊を予定しています。(佐藤大介)