218号 国立歴史民俗博物館 企画展示「歴史にみる震災」

広める―普及活動救う―救済活動東日本大震災

 宮城資料ネット事務局の蝦名裕一です。
 平成26年(2014)3月11日から開催されている国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)企画展「歴史にみる震災」において、日本全国の歴史地震津波の展示とともに、宮城資料ネットが実施してきた東日本大震災における被災資料のレスキュー活動について紹介するビデオ映像と、実際に石巻市のレスキューされた司馬江漢の衝立が展示されています。
 企画展は、東北地方の歴史上の震災と近現代の震災というふたつの大きなテーマから構成されています。その中で、東日本大震災における資料保全活動として、被災地におけるレスキュー活動や、事務局における被災資料に対する応急処置、襖の下張り文書の保全、資料撮影作業といった活動について紹介するビデオが上演されています。また、実際にレスキューされた江戸時代の蘭学者・画家である司馬江漢画『江ノ島稚児淵眺望・金沢能見堂眺望図』衝立(仙台市博物館所蔵)が展示されています。(メールニュース159号参照)併せて、東北大学災害科学国際研究所が取り組んでいる1611年慶長奥州地震 津波や東日本大震災における研究のパネル展示、仙台市博物館所蔵の『記録抜書』が展示されています。
 また4月19日におこなわれた第94回歴博フォーラムでは、事務局蝦名が「東日本大震災からの歴史資料保存と歴史災害研究」と題して、東日本大震災における宮城資料ネットの活動や、慶長奥州地震津波の研究について報告しました。フォーラムには約200名の参加があり、多くの人々が東北地方における資料保全の実践例に興味深く聞き入っていました。
 展示期間は5月6日(火)までとなっております。機会がありましたら、是非国立歴史博物館まで足をお運びいただければ幸いです