223号 7月12日仙台市史講座「広瀬川上流域の近世災害史」開催案内

 宮城資料ネット事務局の佐藤大介です。本会幹事の菅野正道さんから、7月12日に仙台市の大沢市民センターで開催される仙台市史講座「広瀬川上流域の近世災害史~村民たちは自然とどう向き合ったか~」のご案内です。多くの方にご参加いただければ幸いです。
 詳細は下記の通りですが、事前申込制となっております。締め切りが6月28日土曜日ですので、参加希望される方はお早めの対応をお願いいたします。その他問い合わせは、主催者まで直接お願いいたします。

 仙台市史編さん室の菅野です。

 仙台市博物館では、仙台市史編さん事業の成果を多くの方に知っていただく場として、「仙台市史講座」を実施しています。この「市史講座」は、仙台市内の市民センターと共催で実施するもので、市民センター近辺の歴史をテーマとして取り上げて、年2回開催しています。東日本大震災後は、身近な地域に対する関心が高まっていることもあってか、毎回多くの方々の参加があり、なかには参加希望者が200名を超す場合もあります。
 平成26年度最初の「市史講座」は青葉区の大沢市民センターを会場に、「広瀬川上流域の近世災害史」と題して、菊池勇夫先生(宮城学院女子大学教授・元仙台市史執筆委員)にお話しいただくことを企画しました。
 江戸時代も含めて、歴史上にはさまざまな災害の記録があります。実は大沢市民センターが所在する旧宮城町地域は、そうした災害を書き止めた記録が数多く残されている地域です。
 東日本大震災後、災害史の研究というと地震や津波にスポットが当たりがちですが、近世社会においては、冷害に起因する飢饉が地震や津波以上のダメージを地域社会に与えています。仙台藩領において最も大きな人的な被害を出した地震・津波は慶長16年のもので、その時の被害者は5 千人という説もありますが、藩の公式見解では1783人。ところが、ひとたび飢饉が発生すると、死者は数万人から時には10万人以上にも及ぶのです。
 地震や津波は、建物や耕地に被害をもたらすけど、飢饉はそんなことは・・・と思う人もいるかもしれません。しかし、農地、とくに水田は1年間耕作をしないと、あっという間に荒れてしまい、その復旧は容易なことではないのです。飢饉で多くの人が命を失うということは、その人たちが耕作していた多くの耕地も失われる、ということを意味するのです。

 今回お話をいただく菊池先生は、長年にわたって、飢饉をはじめとする災害史を研究されてきました。旧宮城町域の資料を使って、江戸時代の災害、そして災害への村人たちの対応を紹介していただきます。ぜひ多くの方に聞いていただきたいと思い、ご案内する次第です。
 今回は会場も比較的余裕があるので、今からの申し込みでも十分に間に合います。ちょっと場所は市内中心部から離れていますが、この機会にお出かけになってませんか?

 第29回仙台市史講座 広瀬川上流域の近世災害史~村民たちは自然とどう向き合ったか~

・講師 菊池勇夫氏 宮城学院女子大学教授・元仙台市史執筆委員
・日時 平成26年7月12日(土) 13時30分~15時30分
・場所 大沢市民センター(仙台市青葉区芋沢字要害65 電話394―6891)
※参加には事前の申し込みが必要です。往復はがきに住所・氏名・電話番号をご記入の上、

「仙台市史講座」と明記して、下記までお申し込みください。
〒980―0862 仙台市青葉区川内26 仙台市博物館「仙台市史講座」係
申し込みは、6月28日(土)が締め切り(当日消印有効)です。ご参加をお待ちしています!