244号 9月豪雨への対応(2報) 情報提供のお願い

救う―救済活動

 事務局の佐藤大介です。9月豪雨による文化財・歴史資料への対応を続けています。宮城資料ネットからは、宮城県および県内各市町村の担当課へのメール連絡、各地の郷土史家の方や、所蔵者の方に電話などで直接連絡を取り、情報収集を続けております。

◇写真の水損について
 その中で、現代の写真が水損した、という相談が寄せられました。これらは、私どもが対象とする「歴史資料」ではまだありませんが、3.11の経験を踏まえれば、被災された皆様の生活再建に重要な役割を持っており、文化財・歴史資料調査の場においても、可能な範囲での適切な対応が求められると考えます。
この点について、大船渡市の修復家である金野聡子さんからご提供いただいた情報を共有させていただきます。

【現代のカラー写真】
 総務省の「震災関連デジタルアーカイブ構築・運用のためのガイドライン(2013年3月)」ガイドライン37頁から、水害にあった写真の処置方法が掲載されております。http://yahoo.jp/box/gjrtl5 *宮城資料ネット事務局にて抜粋 ここに記載されている処置方法は、あくまでも現代のカラー写真の処置方法です。昔の白黒写真(通称”バライタ”)は、カラー写真と一緒に干してしまうとカーリングしてしまうので、処置には注意が必要です。

【ネガ】
 また、ネガについてですが水洗(普通の水道水)でも大丈夫です。ネガ自体のためには富士フィルムの”ドライウェル”で洗浄すれば水洗浄よりは水滴跡は残りません。ただし、水洗については状態の良いネガに限ります。 (縁の色が溶けているネガに関しては、水洗してもそこから写真を現像できない可能性の方が高いようです)

◇電子媒体の水損について
 現代の情報源として、パソコン、ハードディスク、DVD、フラッシュメモリなど電子媒体が挙げられます。これらも、生活記録の復旧、という観点から重要な問題です。これも、前述のマニュアルに簡易的な対応方法が載っております。

http://yahoo.jp/box/452zsB *宮城資料ネット事務局にて抜粋 電子媒体への対応の問題については、茨城史料ネットの添田仁さんから、ご指摘をいただいたものです。

 以上の点について、支援や、情報提供いただける方は、ひとまず本事務局までご連絡いただければ幸いです。

(抜粋元資料)
総務省「震災関連デジタルアーカイブ構築・運用のためのガイドライン(2013年3月)」
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/02ryutsu02_03000114.html