248号 大崎市岩出山地区で古文書撮影講座を実施

広める―普及活動


 事務局の佐藤大介です。去る10月9日、大崎市岩出山地区で、地元の古文書解読サークル「岩出山古文書の会」を対象にしたデジタルカメラでの古文書撮影講座を実施しました。 (撮影の指導→)
 宮城資料ネットでは、デジタルカメラを用いた簡易な古文書撮影方法についてウェブで公開すると共に、実地での普及を図っております。これまで、2012年9月のふくしま歴史資料保存ネットワーク、2013年10月山形歴史遺産防災ネットワーク、今年7 月の茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワークで実施してきましたが、宮城県内での実施は今回が初めてです。2012年度から岩出山古文書の会を支援している、東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料研究部門の友田昌弘さんを通じての依頼でした。
 宮城資料ネットからは佐藤と、事務局で撮影ボランティアをお願いしている伊東幸恵さん、後藤三夫さん、黒田昌弘さんが講義を担当しました。友田さんと、岩出山からの参加者は11人でした。講義では、佐藤から最低限の注意点を説明した後、3班に分かれ、伊東さん、後藤さん、黒田さんがほぼマンツーマンの形でデジタルカメラでの撮影を指導しました。さらに、パソコンを用いた撮影画像の集約方法についても伝えることが出来ました。


 参加者からは、「古文書が読めなくても役に立つことがある事が分かった」、「緊張したが講習を受けられてよかった」などの感想がありました。こちらも、講座の必要時間、内容、個別指導の重要性など教える側としてのポイントを確認することが出来ました。むろん、岩出山古文書の会への支援は一度の講座で終わりではなく、自立して活動できるようになるまで継続できればと考えています。
 各地に膨大に残る古文書史料を残すには、市民が参加出来る形で活動することが必須です。予算や人員に制約があるから、という消極的な理由だけではなく、「自分たちの町の歴史を、自分たちで守っている」という実感こそが、史料を社会的に守り、招来に伝えていく上で重要な動機ではないかと思います。撮影講座については、今後も色々な形で企画できればと思います。 (画像集約方法の指導→)