315号 7月11日参議院・東日本大震災復興特別委員会 事務局・佐藤が参考人として意見陳述しました

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 東日本大震災から7年4か月に当たる、2018年7月11日に開催された参議院東日本大震災復興特別委員会に、事務局の佐藤大介が招致され、災害からの史料救済の意義と課題、可能性について意見陳述しました。あわせて、各会派の代表と質疑を行いました。

 質疑の模様については、参議院インターネット審議中継にて映像が公開されております。

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=4884&type=recorded (表示まで多少時間要)


(佐藤より)

 参議院事務局より、招致の可能性について連絡があったのが7月6日金曜日の夕方。それから事前提出資料を作成し、答弁に望みました。

 意見事項は、「東日本大震災復興の総合的対策に関する件」で、当方の他3名の参考人は、原子力災害に関する参考人でした。

 佐藤の陳述は、日本の地域社会に残る古文書の意義、東日本大震災での古文書を中心とする救済・活動の説明、およびその課題と可能性を15分間。その後、各党から質疑応答となりました。9会派のうち、自民党、公明党、国民民主党、希望の党、国民の声の5会派の議員から質問一方、国に対し求める支援は、という質問に対し、数値を含め具体的なことが今ひとつ訴えられませんでした。やはり準備不足で、残念に思っています。

 一方、立法府での意見陳述ということもあり、「地域に残る、文化財指定されていない古文書資料」を守るための立法の必要性について述べました。合わせて、国文学研究資料館の西村慎太郎さん、福島大学の阿部浩一さんと連携して実施した、熊本地震に際しての支援に関する質問を踏まえ、事前の所在調査の意義と、それを国として支援する体制づくりについても要望いたしました。

 陳述及び質疑については議事録として残されますので、先ずはその点に意義を見出したいというのが個人的な感想です。

 最後に、今国会では参考人招致が話題になり、報道などでご存じのかたもいらっしゃるかと存じますが、招致には当人の同意(辞退もできる)と、各会派の合意が必要です(正式な招致の可否は、当日の委員会開催前の理事会の議決に基づくそうです)。与野党を超えて、被災古文書の救済・保存について意見徴収の必要性が認識されたことも、個人的には重要なことかと思っています。

 日本の豊かな歴史文化遺産が、現場での善意に加え、社会的合意と、制度のもとで守られていくような社会づくりに、引き続き微力ながら務めてまいりたいと存じます。(了)