54号 宮城県大崎市の視察報告とカンパのお願い
2008.06.16
宮城歴史資料保全ネットワークの平川です。 本日は宮城資料ネットメンバー2人で、震度6強の大崎市に視察に入りました。
まず、同市文化財保護課長、同課長補佐から、市内の状況について伺いました。 同市の化女沼にある埋文センターの屋根が落ちたので、その対策に手を取られていること、有備館の建物に大きな亀裂が入っていること、市内の被害は鳴子地区と田尻地区、古川の北部が大きく、他地区はそれほどでもないこと、指定文化財の確認はできたが、未指定文化財については十分に把握できていないこと、といった情報をいただきました。また今後の被災状況調査については、被災者の生活が落ち着いた段階に実施する方向で検討することにしました。
その後、鳴子・鬼首地区、古川北部、田尻地区などを視察してまいりました。鬼首地区では土砂崩れで通行制限されている箇所がいくつかありましたが、鳴子地区では建物被害はそれほどではなかったようです。古川北部や田尻地区では、神社の石鳥居が落ちたり、転倒した石塔などが各所に見受けられました。また軒瓦が飛んだり、土蔵の壁が部分的に崩落した旧家なども数軒ありました。被害は局地的なようです。
夕刻に仙台に戻り、やはり震度6強の岩手県奥州市の文化財担当者にご連絡を入れ、市内の様子をお尋ねしました。それによりますと、胆沢地区と衣川地区が震度6強だったが、震度の割には建物被害の情報が入っておらず、いまのところ半壊が1軒だけのようだとのことでした。その他の地区でも揺れの割には被害が少なく、文化財関係の被害情報は、いまのところ一件もはいっていないということです。また文化財担当者は全員、生活復旧支援に動員されているということでしたので、被災調査の実施の可否等については、一段落したところで、改めて相談させていただくということになりました。
昨日の視察報告とあわせ、報告震度6レベルの被災地の状況は、おおむね以上のように把握できました。山間部での土砂崩れは死亡者を生み出すほど大きなものとなっていますが、それ以外の地域での被害は局地的で、建物の損壊もそれほど大きくはないようです。昨日発表された地震研究者の調査結果も、同様のものでした。
視察では建物内部の散乱状況までは見ることができませんでしたが、諸情報を総合的に判断すると、資料レスキューが必要な対象は現在のところ確認できませんでした。ただし、宮城県内の栗原市と大崎市については、被災状況調査を実施したほうがよいと思われます。これについては、対象地域の歴史資料所在リストの作成を急ぎながら、地元自治体の担当者や文化財保護委員の方々と日程調整を進めていくことにしております。
日程は未確定ですが、地元との調整次第では第一回目の被災状況調査は、6月下旬から7月上旬の週末に実施することになるかもしれません。具体化しましたら、ご案内いたしますので、それまでしばらくお待ちください。
なお、被災状況調査が何回必要になるのかは現段階では分かりませんが、これまでの経験からみて、相当の資金が必要になるものと思われます。
つきましては、大変恐縮ですが、これらの活動資金について、皆さまからのカンパをお願い申し上げる次第です。下記の口座にお振り込みをいただければ、ありがたく存じます。
○ゆうちょ銀行 振込口座 02280-2-89604
○銀行振込
七十七銀行(銀行コード:0125)本店営業部(店コード:100)
普通 7708025
口座の名義は、いずれも「NPO法人 宮城歴史資料保全ネットワーク」となります。
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