56号 栗原市栗駒文字地区の被災調査を実施しました。

2008岩手・宮城内陸地震救う―救済活動

 6月29日(日)に、岩手宮城内陸地震の震源地に近い栗原市の文字(もんじ)地区で、宮城資料ネット、東北歴史博物館、栗原市文化財保護課、栗駒史談会による、合同の被災状況調査を実施しました。宮城資料ネットからは会員22名が参加しました。
 調査は30軒程度の旧家を対象に、7班に分かれて実施しました。建物の被害状況の確認、歴史資料の現状、家の歴史・村の歴史に関する聞き取りなど、訪問したお宅の状況にあわせながら、調査をおこないました。

 寺社では石段がゆがんだり、転倒した石塔や墓石なども見受けられました。個人宅の長屋門や土蔵などでは、壁が落ちたり、ひび割れが入ったお宅もありました。しかし骨組みに大きな材木を用いているため、本体はビクともしなかったお屋敷が多かったようです。

 なかには、土蔵の二階の棚にあった葛籠二つが地震で落ちたため、開けてみたら古い文書類が入っていたというお宅もありました。大正年間の溜め池開発申請書や水利組合関係の書類、炭生産関係の帳簿など、数十点が入っていました。文字地区は日本で有数の木炭生産地であったということですが、ほかのお宅からも炭焼きに関する記録が発見されていますので、今後その実態を確認することができるかもしれません。葛籠を見せてくださったご当主は、こんな文書があるとは知らなかったと話しておられました。

 また、明治前期からの祝儀・不祝儀帳や写真などを中性紙封筒に入れて段ボール箱に収納する保全措置を実施したお宅もありました。

 天気予報では激しい雨になると予測されおり、土砂崩れなどの二次災害が心配されていました。しかし幸い午前中は雨も降らず、小雨がぱらつきだしたのは午後2時すぎあたりからでしたので、活動に大きな支障はありませんでした。活動を終えて車で仙台に向けて出発した6時ころから、強い雨になりました。

 栗駒史談会の会長さんも、私たちの調査活動に同伴されましたが、効率的な調査方法に感心しておられました。別な地域でも実施してほしいとの要請を受けておりますので、今後、文化財保護課などとも相談しながら、実施計画を整えていく予定です。

 今回の活動に参加された皆様には、あつく御礼を申し上げます。また調査件数や車の関係から参加者を制限しましたので、お申し込みをいただいたにもかかわらず、ご参加いただけなかった方々には、またの機会によろしくお願いいたします。(平川記)