64号 栗原市花山地区と大崎市鬼首地区で保全活動を実施しました。

2008岩手・宮城内陸地震救う―救済活動

■花山地区と鬼首地区での資料保全活動

 先週11月9日(日)は栗原市花山地区で5カ所の史料所在調査をおこない、続けて16日(日)は大崎市鳴子温泉鬼首地区のA家で写真撮影と保全の活動を実施しました。

 花山地区の活動には仙台から11人が参加し、地元からは花山教育センター3人、文化財保護課1人、元文化財保護委員の方1人にご協力をいただきました。花山地区には、1957年(昭和32年)に完成した花山ダムの建設により181世帯が移転した地区があります。その移転のときに古文書は処分したというお宅が大半でしたが、面白い伝承や古物などが残されていました。また同地区は、秋田県雄勝郡に通じる藩境の山岳部に国指定史跡の花山番所(寒湯ぬるゆ番所)があるなど、交通の要衝でした。6月の地震でその花山番所の石垣が大破し、番所に通じる国道はいまも不通となっています。この日は花山教育センター所蔵史料の写真撮影もおこないました。

 鬼首地区のA家は、地震後の被災調査で史料の存在が確認されていましたので、今回保全措置を実施したものです。仙台から7人、地元大崎市から2人の方にご参加いただきました。仙台藩の足軽関係史料200点ほどが保存されており、家屋は現在も茅葺きで、築200年は経ていると思われる旧家です。今回は建築の先生にもご同行いただき、
建物の調査もしていただきました。

■歴史資料に関する相談への対応 またこれとは別に、11月6日にNHKが宮城資料ネットの活動を放映しましたので、それを御覧になられた仙台市青葉区の方から、当家に史料があるので来てほしいとの連絡がありました。そこで11月13日にお訪ねしたところ、奥様が牡鹿半島の旧家のご出身で、その御実家の史料を数十点お持ちでした。これを寄付したいとのことでしたので、東北歴史博物館に受け入れていただくことになりました。 (平川記)