65号 栗原市栗駒地区で保全活動を実施しました

2008岩手・宮城内陸地震救う―救済活動

■栗原市栗駒地区での保全活動

 先週12月13日土曜日、栗原市栗駒地区のB家で被災資料の保全処置を実施しました。仙台から11人、地元教育委員会から1人、地元の郷土史研究会から3人の参加がありました。

 B家では、去る6月14日の岩手・宮城内陸地震で土蔵が全壊したそうです。ご当主のお話しでは、ショベルカーで一気に片付けようかと思ったそうですが、瓦礫の隙間から古文書箱や漆器箱などが見えたので、人手を頼んで崩れた屋根をジャッキで持ち上げ、これらを取り出したとのことでした。以前から家や地域の歴史に関心があり、資料についても気にかけていたので、ということでしたが、まさに間一髪のところで救出された歴史資料といえます。 その後、6月29日に栗駒文字地区での被災調査を協同で行った地元の郷土史研究会の方を通じて、宮城資料ネットに御相談をいただきましたので、11月28日の予備調査を経て、今回の出動となりました。

 今回調査を行ったのは、鬼首、花山と同様、秋田県雄勝郡に通じる境界地域だということもあり、約500点ほどの古文書には、江戸時代前期から明治時代にかけての藩境や交通に関する資料が数多く含まれておりました。陰陽道の免許状なども興味深いものがあります。これらの資料全点をデジタルカメラ7台で撮影し、1点ごとに専用の中性紙封筒に納めて整理しました。ご当主は本法人の公式サイトも御覧いただいているとのことで、調査に積極的に御協力いただくとともに、今後の活動についての励ましをいただきました。

■地震から半年
 12月14日、地震発生から半年が経過しました。調査に向かう道中で見えた栗駒山はすっかり雪化粧で、時間の経過を感じさせます。被災地域のみなさまに改めて御見舞い申し上げると共に、一日も早い復興を祈念します。また、この間本法人の活動にも多くの御支援と御協力を頂戴いたしましたことに、心より御礼申し上げます。

今後も被災地域を中心に、歴史資料の保全活動を力強く進めてまいりたいと思います。より一層の御支援・御協力をたまわりますよう、どうぞよろしく御願い申し上げます。 (佐藤記)