87号 栗原市一迫地区で歴史資料保全活動を実施しました

守る―保全活動

 8月24日、栗原市一迫地区・O家で歴史資料保全活動を実施しました。宮城資料ネットからは5名が参加しました。今回の活動は仙台市博物館の学芸員2名と、山形大学永井康雄ゼミ(建築)7名との協同で実施しました。

 O家については、8月1日と17日の所在確認調査で、多くの古文書資料が保管されていることが確認されたため、保全対応をとることとなりました。史料が保管されていた母屋でその所在を確認してデジタルカメラで現状記録を取り、箱詰めをして防虫剤を入れました。猛暑下ということもあり、特に屋根裏ではサウナのような熱気の中での活動となりました。参加者一同の奮闘、また御当主から差し入れしていただいた麦茶とスイカに活力を得て、ほぼ日中一杯かけて全ての史料への最初の保全活動を行うことが出来ました。これらの史料は所蔵者の御了解をいただいて事務局に借用し、一点毎の撮影と保全を行うことになります。

 あわせて、母屋自体の調査も実施されました。数百年前に建てられたとの御当主のお話しでしたが、その通り江戸期の建物であろうということです。新たな地域の歴史遺産を、今回の保全活動を通じて確認することができました。              
 また、保全活動の終了後の時間を活用して、2軒の所蔵者方を訪問しました。地区での保全活動への御協力をお願いしてまいりましたが、そこでも数百点にのぼる古文書資料が確認されました。訪問に際しては、別の所蔵者の方から私たちの活動について聞きました、というお話しもあり、私たちの活動に対する地域の方々からの信頼が徐々に高まっていると感じました。こちらの史料についても、近日中に保全活動を行う方向で調整する予定です。(佐藤記)