89号 加美町で第2次歴史資料保全活動を実施・「大河原の歴史を語る会」を開催

守る―保全活動

■加美町での歴史資料保全活動

 今週9月14日、加美町で第2次歴史資料保全活動を実施しました。参加者は事務局と、東北学院大の学生など8名でした。

 今回の活動では、前回4月27日の活動に引き続き、加美町所蔵の古文書資料のデジタルカメラでの撮影と中性紙封筒への袋詰めを行いました。丸一日で、約500点の古文書資料の撮影と整理を完了いたしました。

■「大河原の歴史を語る会」を開催
 去る9月3日、宮城県大河原町にて「大河原の歴史を語る会」を、同町の関係者で構成される大河原の歴史を語る会などとの共催で、大河原町教育委員会の後援を得て開催しました。講演は本会理事長の平川新より「白鳥伝説の誕生と大高山神社」として行いました。

 宮城資料ネットでは、同町の旧家であるS家に所蔵されていた古文書資料の保全について、4年ほど前に所蔵者からの依頼で保全の対応を行っております。史料はその後東北歴史博物館所蔵となりました。一方で、明治から昭和期にかけて建築された家屋が現在も残されております。家屋は所蔵者の了解の基、地域の行事などで活用されていますが、より恒常的な保存と活用について、所蔵者と地域住民、歴史研究者が共に考える機会として今回の会を開催いたしました。

 講演は定員70人のところ、町の内外から100名を超える参加者がありました。地元の歴史や、その歴史の一環であるS家の邸宅に対する関心が高いことがうかがえました。講演の後、S家邸の保存と活用に会合が行われ、意見交換が行われました。

 これまでは文書資料中心の保全活動でしたが、ここ数回の活動では、歴史的建造物の保全についても考えることが多くなってきました。(佐藤記)