94号 3月11日 東北・関東大震災 各地で未曾有の被害

救う―救済活動

 みなさま

宮城資料ネット理事長 平川新

 3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とする大地震が発生しました。この東北・関東大震災では、御承知のように未曾有の被害が出ております。被災地にいらっしゃる方々は、ご家族の皆様も含めご無事でしょうか。心より御見舞い申し上げます。

 宮城資料ネットでは、当日も事務局のある東北大学東北アジア研究センターにて古文書資料の撮影作業を行っておりました。激しく、長い揺れが続きました。事務局の部屋では重い中性紙封筒やコピー用紙の箱、プリンタが飛んでくるという危険な状況になりました。事務局スタッフと、当日作業に参加していた5名、センター教員・職員はすぐに屋外に避難しました。全員無事でしたが、エレベータ棟が激しく損壊し、5階建ての建物のうち、4階・5階も破損しました。事務局そのものが被災して室内は散乱し、使えなくなってしまっております。事務局からの連絡が遅れましたのは、インターネット環境が破壊されてしまったからです。

 建物そのものは3月15日現在も立ち入り禁止ですが、3月12日より1日20分程度の時間限定で、少しずつ最低限の器材・データ等の搬出を行っています。いまも大きな余震が続いていますので危険な作業となっております。

 事務局スタッフ4名(平川、蝦名、天野、佐藤)も被災者となりましたが、目下のところ東北アジア研究センターの外で事務局体制の構築に努めているところです。関係者のご協力をいただき、3月15日時点で事務局スペースと、情報収集・発信のためのインターネット環境にようやくめどが立ちつつある状況です。

 この間、3月14日には宮城県の文化財保護課と保全活動の打ち合わせをおこない、協同で対応するという方針で合意しました。一方、今回甚大な被害を受けた沿岸部には当分近づかない方がいい、という助言をいただきました。また震度7を記録した栗原市など内陸部へも交通が寸断されています。さらにはガソリンが枯渇する状況で、車輌での移動が制限されており、十分な活動が展開できないる状況にあります。

 また3月15日には、仙台市博物館・市史編さん室と、仙台市教育委員会文化財保護課に、今後協同して保全活動を実施したい旨をお願い、合意いたしました。具体的な対応に移るにはまだ時間がかかりそうですが、活動のための枠組み作りを着実に進めております。
 
 これまでの活動でお世話になった所蔵者の方・地域の方・行政の方も被災の安否確認は出来ておらず、非常に憂慮されます。

 関連して、皆様にお願いいたします。

■ネットニュース配信者の皆様
 各地の被災状況など、ご存じの情報があれば、どんな小さなことでも結構ですので、事務局まで御連絡いただければ幸いです。