95号 東北関東大震災より一週間経過 現在の活動報告

救う―救済活動東日本大震災

 宮城資料ネットの平川新です。

 東北関東大震災から1週間が過ぎました。想像を絶する被害に言葉を失うほどです。私の知人にも安否を確認できない方々がたくさんいます。

■文化庁の歴史資料担当の方と連絡をとりました。
 文化庁は現在、阪神大震災のときと同様に、全史料協や諸団体・諸大学等と連携しながら、東北関東大地震へ対応する方策を検討しているとのことです。文化庁からお声がけがありましたさいには、ぜひ皆様のご協力をお願い申し上げる次第です。

■東北地方の大地震・大津波としては、『日本三代実録』に出てくる貞観地震(869年)や江戸時代初頭の慶長地震(1611年)が知られています。宮城資料ネットの事務局スタッフは、東北大学防災科学研究拠点グループにも参加しておりますので、これら過去の大地震・大津波の研究を文理連携で実施する準備を進めているところでした。記録や地質調査でみる限り、太平洋沿岸部の宮城県域では大津波が内陸3~4kmまで押し寄せていることが判明しております。さらに調査を進めて津波地図の精度をあげ、来たるべき大地震と大津波に備えた防災地図を作成する予定にしておりましたが、それよりも早く実際の大津波に見舞われてしまいました。
 津波研究者は過去と同様の津波が発生する可能性を指摘しておりましたが、現在では沿岸部まで住宅地が広がり、被害を拡大する結果になってしまいました。開発との兼ね合いは非常にむずかしいところがありますが、結果からいえば過去の大津波の教訓がいかされていなかったということになります。四、五百年に1度の大地震・大津波に備えた社会を、私たちはこれからつくることができるのでしょうか。

■ガソリンが手に入りませんので移動が制約され、被災状況調査が実施できません。そのため現在は、仙台市内の近場の施設や旧家の被災状況の把握と、今後の広域的な被災状況調査のための準備、宮城県・仙台市の文化財部局や博物館、文化庁等との連携体制作りをおこなっております。

■資料ネット事務局のあった東北アジア研究センターの建物が大破して立ち入り禁止になりましたので、学生支援部のご協力を得て、現在下記に臨時オフィスを開いております。宮城資料ネットの事務局員もここに詰めています。

 名称:東北大学防災科学研究拠点臨時オフィス
 場所:東北大学 川内北キャンパス 講義棟A棟2階 資料室
 *臨時オフィスに固定電話はありません。
     *平川および佐藤の研究室の固定電話はつながりません