96号 震災より十日 現状報告

救う―救済活動東日本大震災

 宮城資料ネットの平川です。
 
 日ごとに犠牲者の数が増えていくのを間近で聞くのは、あまりにも現実感がありすぎます。原発汚染による避難のために福島では無人の地域が拡大する一方です。こうした地域では、津波・地震の犠牲者の救出もできず、家畜やペットも置き去りにされたままです。放射能汚染ですから一時的な「退避」ですむことはありません。現在の汚染レベルでも相当の期間戻ることはできないでしょう。もし原子炉のメルトダウンということになれば、あらゆる生物が消えた死の地域になってしまいます。被害は東京を含めた東日本一帯におよぶことになると思います。日本沈没にならないことを祈るばかりです。

■宮城資料ネットの動き
 ガソリンが入手できませんので、宮城資料ネットでは現在、以下のような活動をおこなっております。

 ・宮城資料ネットのHPに「古文書を捨てないで!」の呼びかけ文を掲載しました。
  (http://www.miyagi-shiryounet.org/)。このほか、自治体にも広報や町内会を通じてこうした呼びかけをしてくださるよう要請しております。 

 ・事務局では文化庁・宮城県・仙台市等の文化財担当者と連絡を取り合い、今後のレスキューおよび被災 状況調査の体制づくりを進めています。

 ・事務局スタッフは、自転車や徒歩で仙台市青葉区の近場の史跡・古建築等の被災状況を確認しています。
 ・資料ネット会員その他から、自宅や職場近辺の史跡・古建築等の被災状況の報告をいただいています。

 ・事務局スタッフは、これまで調査した旧家の被災状況を、国土地理院による津波後の空中写真やグーグルアースなどを活用して確認する作業をしています。沿岸部のお宅では津波にのまれて跡形もない所が少なくありません。いっぽうお屋敷が残っている姿を確認できるとほっとします。

 ・国土地理院の空中写真を活用して津波浸水域のマップを作成しています。参考例として仙台市域のマップを添付しました(図/宮城資料ネットのHPにもアップしております)。東北の津波被害地全域版の作成を進めております。このマップを活用しながら、歴史資料所蔵者宅の調査やレスキューを展開する予定です。

 ・地域史研究者の方から、筆耕史料が津波で浸水したといった連絡もいただいております。筆耕史料のなかには現物の史料は津波前にすでに失われていたものもあり、筆耕史料自体が貴重な歴史資料となっております。これらも今後のレスキューの対象にしたいと考えております。

 ・大地震前までの調査でご協力いただいた自治体の担当者とも連絡をとっています。文化財担当者も人命救助や避難所詰めが優先ですが、そのかたわら、歴史資料・文化財の被災状況についても情報収集に努力してくださっています。

■宮城資料ネットの連絡先
   
      eメール/ office*miyagi-shiryounet.org (*=@)
 
 事務局の固定電話はまだ不通状態ですので、急遽、専用の携帯電話を調達しました。下記の番号とアドレスです。こちらもご活用ください。
  
       080-1666-5919(docomo)
        miyagi-shiryounet*docomo.ne.jp (*=@)