307号 「川崎町における町民との協同による資料調査」

広める―普及活動

事務局の蝦名裕一です。
 今回は2018年4月21日(土)に開催された講演会「川崎の記憶~古文書からよみがえるふるさとの歴史~」における講演「中津山藩から川崎伊達家へ―川崎伊達家文書の調査から―」で報告した川崎伊達家文書についてと、川崎町教育委員会より刊行された『平成29年度川崎町の文化財 古文書』(蕃山房)についてのお知らせです。
 川崎伊達家文書は、江戸時代に川崎町周辺に知行地を有していた川崎伊達家の文書群であり、明治以後その管理を託された裏丁愛林組合の歴代の組合長が持ち回りで守り、今日に伝わった文書です。2013年、宮城資料ネットではこの川崎伊達家文書を全点調査と撮影が実施されました。(メールニュース208号)今回の講演ではその一部を紹介するに留まりましたが、この中には、仙台藩4代藩主伊達綱村の弟であり、川崎伊達家の祖となった伊達村和が一時期中津山藩主に取り立てられた際に、幕閣の大名たちとやり取りした書状をはじめ、本家である仙台伊達家からの書状や川崎伊達家の歴代当主に与えられた知行宛行状、さらに幕末の当主・伊達邦賢について、戊辰戦争時の川崎伊達家の動静や明治維新後に伊達邦賢が政府に開発を願い上げた文書など、数多くの史料が存在していました。
 また、この川崎伊達家文書の調査解読は、川崎町教育委員会はじめ、文化財保護委員、歴史友の会の皆さんのご協力によって進められました。2013年より毎年川崎町で「古文書初級入門講座」が開催され、ここで町民の皆さんと一緒に川崎伊達家文書をテキストとして解読を進めていきました。当初は初めての方も多く、辞書を引き引き進めていたので、解読できる文量もごく僅かでしたが、5年目を迎えた昨年度はベテランの方々のおかげでより多くの古文書を解読することができました。
 こうした川崎町の皆さんと共に実施してきた川崎伊達家文書の解読作業の成果が、この度『平成29年度川崎町の文化財 古文書』として刊行されることになりました。本書は川崎伊達家文書に加え、前回のメールニュースで紹介された青根温泉・不忘閣が所蔵の佐藤仁右衛門家文書について、文書の画像とともに改題・解読文を掲載した史料集になっています。また、川崎町文化財保護委員、歴史友の会の皆さんが自らの手で探し、解読した川崎町関連文書の解読・解題も掲載しています。
 今回、川崎伊達家文書や佐藤仁右衛門家文書といった川崎町を代表すると言っても過言ではない史料群を、川崎町の皆さんと一緒に保全し、解読し、史料集の刊行まで辿り着いた事は、私にとっても大きな喜びでした。まだ残る多数の未解読史料についても、川崎町の皆さんと共に、今後とも解読を進めていきたいと考えています。

*追記
『平成29年度川崎町の文化財 古文書』(¥2,500、500部限定)のご購入は、川崎町教育委員会生涯学習課にお問い合わせ下さい。

川崎町教育委員会生涯学習課(担当:粟野)TEL.0224-84-2111(代表)
Email: kyousyou☆town.kawasaki.miyagi.jp  (☆=@)